ヤゴ救出大作戦

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ヤゴ救出大作戦とは

「ヤゴ救出大作戦」は、水泳授業が終わった晩夏から翌年の春までの間に、亀阜小学校のプールの水中で生まれたヤゴ(トンボの幼虫)を救うためのイベントです。
夏の水泳授業が始まる前、学校のプールでは汚れた水を抜き、清掃して授業開始に備えます。しかしその汚れた水は虫にとっては快適な家であり栄養たっぷりな命の水なのです。そんな行き場所を失うヤゴを子どもたちに救ってもらい、中庭のかんさつ池にヤゴを引越しさせる取り組みがヤゴ救出大作戦です。

この活動を通じて、子どもたちには虫と直接触れ合う機会を持ってもらい、命の大切さや自然の素晴らしさを感じてほしいと考えています。自分で救ったヤゴが、トンボとなって小学校の空を飛ぶ姿を見られるという楽しみもあり、地元の自然環境に対する関心を高めるきっかけにもなるのではないでしょうか。

地域の自然を守る意識が子どもたちの中で育まれ、将来大人になってもふるさとを大切に思い、自然との共生を考えるきっかけになることを願っています。

キッカケは「昆虫大好き鈴木さん」

亀阜おやじの会には、昆虫を愛してやまない鈴木さんという人がいます。亀阜小学校の3年生には、理科の特別授業をしてくれるおやじとして知っている子が多いかもしれませんね。
昆虫に詳しい鈴木さんは学校のプールが使われない間、そこにヤゴが生まれていることを知っていました。なので、プール清掃のたびに水が抜かれ、たくさんの小さな命が失われていくことに心を痛め、何とか助けられないかと考えていました。
そんなころ、小学校ではおやじの会を中心に中庭の古い泉水の復活プロジェクトが始動します。復活させた泉水の用途は何も決まっていませんでしたが、鈴木さんはヤゴを中庭のかんさつ池に引越しさせるプランを思いつきます。小学校に相談したところ、「子どもたちのために、ぜひ!」と賛同を得ることとなり、こうして小さな命を救うプロジェクト「ヤゴ救出大作戦」は始まりました。
以降、毎年5月の恒例イベントになり、毎年先生にプールの水位をヤゴ救出に適切なところに調整するという難しいお願いをしながらおかげさまで続けてこられています。当初は試行的におやじたちだけで行い、良い感触を得て次は子どもたちと一緒にすることにしましたが、次の年以降はコロナ禍となり、おやじ関係者と先生方のみでしばらく行ってきました。コロナ禍が明けてからは、子どもたちが小さな命と触れ合う機会を創出し、ふるさと亀阜の自然の豊さを知り地域への愛着を持ってもらうことも目的に加えて継続しています。
令和六年度には過去最高の3,000匹を越えるヤゴを救出することになりました。

ヤゴ救出大作戦の様子

当日亀阜おやじの会メンバーと子どもたちだけではなく、保護者のみなさん、校長先生や教頭先生をはじめとした小学校の先生方、地域の方にも参加していただいています。家族や地域のみなさんが一体となって取り組むこの「ヤゴ救出大作戦」が、地域の絆を深める大切な活動として続いていくことを願っています。

 

救出前のプールはこんな感じ。静かで何も生き物がいないように見えますが、この中にたくさんのヤゴが住んでいます。

 

みんなで注意事項を確認して、一致団結!よーし、みんなで頑張るぞー!「何匹救出するかクイズ」も実施しました。

 

みんなでタモ網を持ってすくっていきます。ミズバキトンボ、ギンヤンマ、イトトンボなど、いろんなヤゴを見ることができます。

 

大人も子どももみんな夢中です!「大きいのがとれた!」「すごいね!これギンヤンマだよ。」なんて会話が弾みます。

 

プールサイドで泥の中からヤゴを救出。最初は触れなかった子も、いつの間にか素手で触れるようになったり…。

 

ヤゴの種類を確認したり大きさを測ったり、昆虫大好き鈴木さんは観察も怠りません。

 

普段は水泳授業で泳いでいる場所で、泥遊びしているような感覚。これもまた子どもにとっては刺激的みたいです。

 

女の子もたくさん参加してくれます。ヤゴを怖がっていた子も、終わる頃には「ヤゴかわいい」って好きになってくれていました。

 

実は虫が苦手な教頭先生。でも頑張ってヤゴと仲良くしています。好きになってくれたかなぁ。

 

これがヤゴです。かわいいですね。えっ?怖い?気持ち悪い?そういう方は一度このイベントに参加されることをおすすめします。

 

「何匹救出するかクイズ」の優秀者や、珍しいヤゴを救出した子にはお菓子のご褒美が贈られました。

 

みんないい顔しています。ヤゴを救出した充実感。そして、これからトンボとして再会できる期待感に溢れています。

 

みんなが救出したヤゴはかんさつ池に入れられます。

 

これでひとまずは任務完了です。おやじのみんな、お疲れさん!

 

数日後、亀阜小学校の中庭にはトンボがのびのびと飛び回ることになるのでした。

 

ここからは番外編です。夏わくイベントが終わり、その年のプールの役割が終えた後、竹の枝を持ったおやじ達がプールサイドに現れます。

 

竹の枝は束にされ、紐に括られていきます。

 

実はこれ、ギンヤンマが産卵しやすようにするための仕掛けなんです。植物の茎に卵を産みつけるんですね。

 

これで来年のヤゴ救出作戦に向けた準備は完了。来年も亀阜の地にたくさん産卵に来てね!

ヤゴの引越し先である亀小の泉水が四国新聞で紹介されました

 

救出されたヤゴの引越しである亀阜小学校中庭の「かんさつ池」が、2019年5月21日の四国新聞で紹介されました。かんさつ池の歴史や成り立ち、そしてヤゴを観察する子供たちの様子などが書かれています。ぜひご一読ください。